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Research

当研究室では、人間・動物・植物などの生命機能を安全かつ効率良く操る計測することができる分子方法論機能性材料に関する研究に取り組んでいます。研究成果の出口分野としては、創薬化学幹細胞工学グリーンケミストリ生命分析化学になります。

幅広い分野の研究活動を通して、当研究室では下の➊~➌の特徴をもつ人材の育成に精力的に取り組んでいます。

➊分子構造と計測データをもとに、新たな機能性分子や方法論が構築できる人材
➋異分野横断的な知識や実験スキルもつ人材
➌研究成果を社会還元するための道筋を設計できる人材

本は、東大の他、東京理科大 (理)・東洋大にて上記分野に関係する講義を行っています。
詳しくはこちら:講義関連情報


創薬化学 – Drug Chemistry –
次世代の中分子分子標的薬 “核酸アプタマー”
核酸アプタマーは、分子認識能をもつ核酸塩基配列のことで、中分子型の分子標的薬に分類されます。下は加齢黄斑変性症に対する核酸アプタマー製剤の例で、眼球裏にある血管の異常増殖を抑制する分子標的薬です。異常増殖した血管が眼球を圧迫することで、視野に異常をきたす病気の治療薬として利用されています(正体は VEGF-A に結合する化学修飾された RNA アプタマーです)。

核酸アプタマーの特長を、他の医薬品である”低分子”と”抗体”と比較した表とともに下に記載しました (表は吉本が作成したものです。参考程度にお読みください。また、転載・転用などは禁止します)。核酸アプタマーの特長を端的に説明すると、安くて、品質が一定で、薬効が高く、相補鎖で薬効を簡単に中和することができる点にあります。さらに、複数のアプタマーを繋げたものを容易に設計し、安価に購入することができます。

私たちの研究室では、核酸アプタマーの特長を活かした様々な薬剤分子に関する研究を行っています。また、核酸アプタマーを効率良く獲得する分子進化工学的手法の構築にも成功しています。下にこれまでの研究の成果の一部を紹介します。

(例1) 抗血液凝固製剤としての核酸アプタマー2量体と中和用 ssDNA の短鎖化

血液凝固因子であるトロンビンという酵素に結合する DNA アプタマー二種類をリンカーで連結させた、トロンビンアプタマー2量体 (87 塩基) を設計しました(上図)。In vitro の薬理活性試験を行ったところ、過去最高の抗血液凝固能を示す核酸アプタマーの構築に成功しました。上図左は、アプタマー2量体とトロンビンとの複合体の分子モデリングの結果です。同2量体アプタマーをトロンビンから剥ぎ取り薬理活性を中和する一本鎖 DNA の配列最適化を行った結果、87 塩基からなる完全相補鎖な一本鎖 DNA (ssDNA) よりも、37 塩基の短いssDNA の方が中和剤としての性能が高いという興味深い結果が得られました。本研究により、アプタマー2量体の薬効を中和するための重要な要素として、(1) アプタマー連結部位であるリンカーの塩基配列(上図 紫色)と迅速な相補鎖形成をする足掛け配列(toehold hybridization motief:上図 赤色)が重要であることが判明しました。さらに、(2) トロンビンの活性を中和するためには Exocite I アプタマーの塩基配列の約半分と相補鎖を形成する短い配列(上図 緑色)だけで十分であることが明らかとしました。

中和剤の分子量を小さくすることは総投与質量を小さくすることに繋がりますから、本研究で得られた分子設計指針を活用することで、中和剤による副作用を大幅に低減することができます(RPTH 2021 にて発表済)。

(例2) 人工サイトカインとして機能する血管新生を促進する核酸アプタマー

核酸アプタマーは、例1 のような結合阻害剤ではなく、サイトカインである液性タンパク質のように、生体イベントにスイッチを入れられる分子として利用することもできます。VEFG-A を含む VEGF ファミリータンパク質は、細胞表面上にある受容体と結合することで血管内皮細胞から血管が形成される現象(血管新生)を促進させることが知られています。我々の研究室では、VEGF-R1 と VEGF-R2 の両方に結合する複数の DNA アプタマー(上図左)の獲得に成功し、Apt 02 が VEGF-165 (≒ VAGF-A) と同じように血管新生を促進させる非常に珍しい分子であることを発見しました(上図右)。

サイトカインの多くは常温における長期保存が難しく、常温での長期保存に全く問題のない核酸アプタマーをサイトカインの代用(人工サイトカイン)として利用する事は、大きな意義とメリットがあります(Molecular Therapy Nucleic Acids, 19, 1145-1152 (2020). にて発表済)。

(例3) 高い結合親和性をもつ核酸アプタマー群を短期間に効率よく獲得するための新しい分子進化工学的手法 “MACE-SELEX” の提案

(作成中)

独自の核酸アプタマー選抜法 MACE-SELEX 法
Molecular Therapy Nucleic Acids, 16, 348-359 (2019).
Analytical Sciences, 35(5), 585 (2019).


2.幹細胞工学 – Stem Cell engineering – 

(作成中)

幹細胞(間葉系幹細胞やiPS細胞)の機能を効率良く、時には遺伝子操作を用いずに制御できる新規分子、手法、材料の開発を行っています。

1-1 3D培養法を利用する幹細胞の分化制御
ACS Appl. Bio Mater., 1 (3), 538-543 (2018)
ACS Appl. Mater. Inter., 9 (11), 9339-9347 (2017).

1-2. CRISPER-Cas9 を用いる幹細胞の内在性遺伝子の発現操作
ACS Synth. Biol., 6 (12), 2191–2197 (2017).
Nat. Methods, 14, 963-966 (2017).

1-3. 細胞の低侵襲な分離/濃縮用電極デバイス
Analytical Sciences, 35(8), 895-901 (2019).
Sensors, 18(9), 3007 (8 pages) (2018).

1-4. 核酸アプタマーを利用する細胞培養足場材料
現在進行中


3.グリーンケミストリ – Green Chemistry –

(作成中)

バイオエネルギー源としての藻類細胞に注目し、高分子材料化学を利用して藻類細胞が生産するエネルギーや分子の取得効率を向上させる手法の開発を目的としています。

3-1. ポリマーゲル封入培養法による藻類細胞の多細胞化とバイオ燃料生産量の増大

3-2. 藻類細胞が生産するバイオ燃料や薬剤生産量の上方制御に挑戦しています。

3-3. 藻類細胞への高効率な遺伝子導入法の開発に挑戦しています。


4.生命分析化学 – Bio Analytical Methds –

(作成中)

以上の研究内容に興味がある方、より詳細な内容を知りたい方は、いつでもコンタクトください。