このページには、研究室の運営方針や各種情報を掲載しています。吉本研にご興味がある方は、事前に必ず本ページを必ずお読みください。(2021年3月15日 更新)
Lab. policy movie – Laboratory Trip to NAGATORO (2017 Fall) –
吉本研究室の目標
当研究室は、化学~生物学の専門知識をベースに理学・工学・医療分野に広く関連する分野横断型の研究を展開しています。過去に日本学術振興会の博士研究員や他大からの外研生も積極的に受け入れており、下の2つを目標として研究活動を行っています。
➊社会に還元できる質の高い研究を継続的に行うこと。
➋様々な研究分野で活躍できる人材の育成。
※ここでいう「人材」は、学生だけでなく、博士研究員・助教などのスタッフも含みます。
吉本研OB・OGの主な進路
1.国の研究機関
- 国立研究開発法人 物質・材料研究機構 (助教 → 主任研究員)
- 国立研究開発法人 産業技術総合研究所 (学振PD → テニュアトラック博士研究員)
- 国立研究開発法人 産業技術総合研究所 (博士卒 → テニュアトラック博士研究員)
2.企業
- 第一三共株式会社 (博士卒)
- Nikon (博士卒)
- Kaneka (博士卒)
- Panasonic (修士卒)
- 長谷川香料 (修士卒)
- アステラス製薬 (修士卒)
- 塩野義製薬(修士卒)
- ロッテ (修士卒)
- 資生堂 (修士卒)
- 日本航空 (修士卒) など
研究室の運営方針
研究は興味ありき
様々な研究テーマに興味のある方と一緒に、研究活動を行いたいと考えています。研究=実験、ではありません。調査能力、成果をまとめる能力、考察力、発表する力、立案力などをまとめたものが”研究(力)”です。「研究」や「実験」が大好きという方は大歓迎ですし、しっかりと指導します。自分で手を動かして実験することがあまり好きではない方、さらに「○○の研究以外はしたくありません!」という頑固な方は、当研究室には向いていないかもしれません。
研究は仲間ありき
研究室内外の人と積極的に交流できる方と一緒に、研究活動を行いたいと考えています。研究室内はもちろんのこと、他大学の研究室・メンバーと協力して行う研究が多いです。自分以外の様々な立場のメンバーと礼儀正しく、良好なコミュニケーション、ディスカッションする能力は重要です。各能力の向上を願って、毎年、夏(7月頃)と冬(3月頃)に他研究室と合同で研究発表会を行い、学会以外で研究をプレゼンやディスカッションができる機会を設け、まとまった成果が無い状態でも、発表スキルを向上させる機会、人的ネットワークを形成する機会を、指導の一環(卒業・修論・博論研究単位)として設けています。
2017年にバイオ分析研究懇談会を設立し、宿泊形式の人的交流も含めた学術セミナーを2019年よりスタートさせました。宿泊形式のコミュニケーションイベントが、効率良く人的ネットワークを形成させる場であること、参加者の行動や考え方を理解するのに要する時間を短縮化する効果を持つこと、結果的に短期間で信頼関係を高めること、は既にご存じのはずです。例えば、皆さんがこれまでに経験してきた修学旅行・林間学校、また部活動における合宿などは宿泊形式が多いと思います。しかし、学校や部活側がどのような意図もち、どのような効果を狙ってこのようなイベントを行っていたのかを考え、その意図や理念に同意した上で参加していた方は、意外と少ないのではないでしょうか。実は、アカデミアにも Gordon Research conference など、同一施設に参加者が集まり、発表・ディスカッション・宿泊・食事を共にする形式の学会が幾つかあります。興味のある方はご自身で調べてみるといいと思います。
吉本研では、以下のイベントがあります。
1.歓迎会@4月(昼食形式)
2.お花見 or BBQ(昼食形式)
3.研究室旅行(宿泊形式)
4.合同ゼミ@8月お盆前(宿泊形式)
5.忘年会@12月末(飲み会)
6.歓送会@3月末(飲み会)
上記イベントは、「質の高い研究を継続的に行う」という吉本研の最優先課題を効率良く解決するために、(研究室内外の)メンバー間の人的ネットワークの質を高めるために行い、開催時期は研究室全体の利益を考慮して吉本が考えて設定します。また、これを取りまとめるイベント・スケジュール係を研究室内の学生が経験・サポートすることで、人間的な経験値を向上させることも、上記イベントを行う目的の一つです。
新メンバーを快く迎えられない方、研究室内外の新しいメンバーとのコミュニケーションが苦手または重要視しない考えをおもちの方、歓送会等でお世話になったメンバーに感謝の意をきちんと示せない方(いずれも飲み会レベルから宿泊形式の交流も含む)、などは吉本研に向いていません。お気を付けください。
※留学生について
留学生の方を積極的に研究室のメンバーとして受け入れたいと考えています。しかし、研究室メンバーと意思疎通ができない方は、様々なトラブルの元になりますし、メンバーの研究活動の進捗に悪影響を与えます。研究室は、初歩的な日本語や英語を学ぶ場ではなく、研究を行うところと考え、吉本研では、少なくとも日本語能力試験で N1 レベルの方のみを院生として受け入れることにしています。
研究は責任ありき
「研究を指導してもらう」という考えを少しでも持っている人は、吉本研には向いていません。研究は自分の意思で進め、身につけるものです。今までの講義のように手取り足取り何かを座学で教える→試験する、という受身のスタイルではないことを理解してください。勿論、すでに研究室内で確立された実験手法などは教えます。しかし、新しい研究というのは、これまで確立した手法だけでは進められないから価値がある、新しいわけです。既に進め方や結果がわかっている、いわゆる学部時代の学生実験とは大きく異なることを理解してください。
例えば、レストランの厨房にはいった新人が、先輩から手取り足取り教わることで新しい創作料理を作ることができる一人前のシェフになれるでしょうか?・・・無理です。まずは皿洗いから初めて料理の基本を学びつつ、その合間に先輩のソースの秘密を独自に調べ、良い意味で盗み(研究は盗んじゃだめ!)、改良する。これと全く同じです。論文調査・発表・問題提起・アイディア発起などというのは、そもそもマニュアルや教科書はありません。実際の研究室で活動しているうちに自分で身につけ、工夫するものですから、各個人でその習得箇所やスピードが異なります。「自分で考えて、自分でアイディアを出して、自分で動く」。このトレーニングを経験できる場が研究室です。
博士課程進学・アカデミックポストへの道
博士課程進学を視野に入れている方や、将来アカデミックの分野で生きて行きたいという情熱をもっている方を指導したいと考えています。たまに、「研究室で研究して、向いているとわかったら博士課程に進学したいと考えてます」という方が時々います。私はこのようなコメントに違和感を覚えます。例えば、芸人さんやスポーツ選手、歌手、などを目指す人から「2~3年やって向いてなければやめようと思う」という事を聞くと、あなたはどう感じますか?研究職も他の業種と同じで、いつ花開くかわかりません。「自分に向いているのか・そうでないのかわからないけど、研究が好きだから上(アカデミック)を目指したいです!」という熱意ある方は、全力で指導・サポートします。
吉本研の研究内容は分野横断型であるため、身につく専門分野の数が多いのが特徴です。一歩間違えば消化不良を起こす可能性もありますが、正しく「広く・深く」経験を積むことができれば、様々な分野のアカデミックポジションに応募できるようになります。以下に、アカデミックや博士課程進学を目指す院生をサポートするためにある制度を幾つかお教えします。
1. 先進基礎科学推進 国際卓越大学院教育プログラム
2019年度から「先進基礎科学推進 国際卓越大学院教育プログラム」という、卓越大学院制度がスタートしました。博士課程進学を前提とする修士1年生が応募するプログラムで、修士課程から月額の謝金を受け取れるプログラムです。興味のある方はリンクから詳細を確認してください。
2. 日本学術振興会特別研究員
院生の間、または博士取得後に日本学術支援機構の特別研究員に応募したい方を歓迎します。ただし、本制度を他の奨学金制度と同様なものと勘違いしている方、過去の論文発表のみが採否を分けるものと勘違いしている方、申請課題は所属研究室のPIなどに(全て)考えてもらうものと勘違いされている方は、本研究室へのコンタクトをご遠慮ください。
3. 博士課程研究遂行協力制度
総合文化研究科にある博士課程の研究支援制度です。また、本制度以外にもリサーチ・アソシエイト、海外渡航助成など、院生の研究活動を支援する制度が幾つかあります。
以上のような制度の利用を視野に入れ、大学院における積極的な研究活動プランを描いている意欲の高い学生、ポスドク、さらに学生に対する教育的指導に理解のあるスタッフを、本研究室は歓迎します。